あなたは写真を撮るとき、カメラの角度や位置を気にしていますか?
何気なく撮影しているシーンでも、アングルやポジションが変わると写真の印象は大きく変わります。写真を撮ってみて「何かが違うな……」と感じたときは、カメラの角度・位置がハマっていないからかもしれません。
この記事では、カメラのアングルとポジションについて解説します。
イメージ通りの写真を撮影するのに欠かせない要素なので、普段はアングルとポジションを意識しない人でもこの機会に覚えておくと良いでしょう。
カメラのアングルとポジションの違いは?
カメラを上や下に向けて撮るときのカメラの角度がアングルです。アングルによって被写体を広く見せたり、立体的に見せたりできます。
カメラを地面スレスレや両手を伸ばして上から撮るときのカメラを構える高さがポジションです。ポジションによって子供、大人、鳥や昆虫などいろいろな目線で写真を表現できます。
アングルとポジションを組み合わせると、迫力のあるシーンや広大な景色などいろいろな写真を撮ることができます。
カメラのアングルの種類
アングルにはカメラを向ける角度によって3つの種類があります。
ハイアングル | 水平アングル | ローアングル | |
---|---|---|---|
カメラの角度 | 下向き | 水平 | 上向き |
写真への効果 | 広がりが出る | 整った印象に | 迫力が出る |
適したシーン | 料理 | 記念撮影 | 星空 |
撮影シーンに合わせたアングルを使い分けできるようになると、写真の印象がガラリと変わりますよ!
ここからは、それぞれのアングルについて細かい特徴や適したシーンを紹介します。
ハイアングル
カメラを下に向けることで被写体の全景や、奥行きを表現できるハイアングル。
机に並べられた品物や、高い位置から見下ろす景色など、上から見て「素敵だな」と思う被写体を撮るのがおすすめ。
上から撮影するので、高さを表現したい撮影には向いていません。
よくある例として、料理の写真はハイアングルで撮影されることが多いです。
なぜハイアングルが良いのか?それは料理がおいしそうに見えるからです。ハイアングルで撮影すると、食器のデザインや食材の色使いが見渡せて華やかな印象を与えます。
上記の写真の場合は、可愛いデザインのラテアートと季節のフルーツに彩られた食べ物を主役に撮影しています。主役を目立たせるこだわりのお盆やテーブル。これらを構図に入れて撮影すると、料理の良さがより伝わります。
ハイアングルは、ペットや子供を可愛く撮るのもおすすめです。上から撮ることでふんわり柔らかい印象を与えられます。
真上から撮るよりも斜め45度ぐらいから撮ると、より可愛く撮れますよ。
水平アングル
カメラを水平に向けることで、見たものを歪みなく正確に表現できる水平アングル。
正方形や長方形などの綺麗な形のものや、整然と並んだ商品の整った印象を与える際におすすめです。
旅先で出会った綺麗な空と海を見かけたら、水平アングルの出番です。一直線の水平線が写真の主役を明確に表現でき、おさまりの良い写真になります。
おしゃれな階段のように、直線的な構造物を見つけたときもおすすめ。
きちっとした直線を撮ることで、シンプルな写真に仕上がります。また、物の大きさや形を正確に表現する商品撮影や、七五三や結婚式などの大事なイベントの際は、水平アングルで綺麗な構図の写真を撮るのが良いとされています。
ローアングル
カメラを上に向けることで、迫力のある写真が撮れます。
高さのある建物や綺麗な星空など、被写体の広大さを表現する撮影におすすめ。強い印象の写真になりやすいので、可愛いものの撮影には向いていません。
夜空に輝く星を綺麗に撮りたいと思ったことはありませんか?
そんなときは、ローアングルの出番です。星空撮影で重要な広大さを表現。手前に木々を入れることで迫力のある写真が撮れます。
季節ごとの植物を撮りたいときもローアングルがおすすめです。
太陽の光が入るため、花の輪郭を柔らかく表現できます。青い空と花のコントラストが被写体をより一層綺麗に写します。
ローアングルで撮影する際は、標準ズームレンズや単焦点レンズよりも広角レンズを使うことで写真の迫力がUPします。
カメラのポジションの種類
ポジションにはカメラを構える高さによって3つの種類があります。
ハイポジション | アイレベル | ローポジション | |
---|---|---|---|
カメラの高さ | 高い | 目線と同じ | 低い |
写真への効果 | 広さ・奥行きがある | 自然な印象 | ダイナミックさ |
適したシーン | 料理・高所からの風景 | 日常・水平線 | 花・子ども目線 |
ポジションはアングルと組み合わせることで写真の表現が広がります。
ハイポジション
ハイポジションは、高い位置からの撮影で被写体を広く、奥行き感を出すことができます。
ハイアングルとの相性が抜群。高層ビルからの街並み、机に並べられた品物、子どもの可愛さを表現する撮影などにおすすめです。
テーブルフォトを撮るときはハイポジション+ハイアングルです。
ハイポジションでの撮影は少しの角度で写真の印象が変わります。綺麗に正確に撮りたい場合は脚立に登ったり、三脚を利用したりして真上から撮影。
少しおしゃれな構図で撮りたいなら角度をつけて撮るのがおすすめです。
高い建物に登って綺麗な景色を見つけたときもハイポジションの出番です。
街並みを主役にするならハイアングル、空を主役にするなら水平アングルを活用していろいろな表現ができます。
アイレベル
アイレベルは、文字通りアイ(目)の高さで、目線と同じ高さでの撮影です。
目で見たものを写すのに適していて、日常の景色を表現でき、全てのアングルとの相性が良いです。
道を歩いているときにローアングルにすれば空が主役。水平アングルにすれば道の奥行き。ハイアングルで見落としていた水溜りに反射した光など、いろいろな表現ができます。
どこまでも続いている道路を見つけたらアイレベルで撮影です。
アイレベル+水平アングルでそのままの風景を表現。あなたが見ている景色を写真で共有できます。
夕陽が綺麗で空を主役にしたい場合はローアングルで撮影もおすすめです。
ふとした日常の一瞬を切り取るのもアイレベルです。
前ばかりではなく、ときには視点を下に動かしてみましょう。いつも通っている道でも雨の日や雨上がりはチャンス。思いがけない素敵な景色に出会うこともあります。
ローポジション
普段あまり見ることのない低い位置から迫力のある写真を撮影できます。
ローアングルと水平アングルとの相性が良いです。子供目線の世界を表現したい。花を主役に空を背景にして綺麗な風景が撮りたいときなどにおすすめです。
道端の綺麗な花を撮ってみたけれど「ぱっとしないな」「どうしたら上手く撮れるんだろう」そんなときはローポジションの出番です。
地面スレスレからローアングルで撮影。花と空の共演でダイナミックさを表現できます。
子供と話すときは、目線の高さまでかがみませんか?
撮影するときも同じです。そこには子供が見ている輝く世界が待っています。大人がかがんで低いポジションで撮影するのは体制的に辛いですが、良い写真が撮れたときの感動は格別です。
積極的なローポジション撮影は、写真上達への近道となります。
カメラのアングルとポジションで写真の印象は変わる
カメラを買ったばかりの頃は、カメラの設定をすることに精一杯で、アングルやポジションにまで気が回らず、目線と同じ高さ「アイレベル」で「水平アングル」に構えがちです。
写真が上手くなるためには、カメラを構えながらアングルを変えてポジションを変えてと試行錯誤することが大切です。いろいろなアングルとポジションで被写体を見て「素敵だな」と思う瞬間にパシャリとシャッターを切ってみましょう。
きっとカメラには、あなたの満足する素敵な写真が写っています。