Photoshopといえば、プロ向けのさまざまなソフトウェアを販売しているアドビが提供する画像処理ソフトウェアです。
「ない機能はない」といわれるほど多機能なPhotoshopですが、それだけに価格も安くはありません。
この記事では、サブスクリプション型以外にPhotoshopを手に入れる方法がないかどうか、Photoshopをできるだけ安く使う方法について調べてみました。また、Photoshopの代わりに使える写真編集アプリも紹介します。
Photoshop(フォトショップ)の買い切りは販売終了
Photoshopは2012年4月から定額制のサブスクリプション型に移行し、買い切り型の提供は販売終了となりました。
現在、Photoshopを使うにはアドビとサブスクリプション契約を結ぶのが基本となります。
「サブスクはお金を払いつづけないといけない」と嫌う人もいますが、では買い切り型なら安上がりになるのかといえば、けしてそうとも言い切れません。
Photoshopの場合、買い切り版は10万円ほどしていましたし、数年に1回程度の頻度でアップグレードがおこなわれ、そのたびに2万5000円ほどの費用が発生していました。
つまり、買い切り型が残っていたとしてもそれなりにお金がかかることになるのです。
もちろん、最新バージョンでなくてもかまわなくて、かつ長く使う予定であれば初期投資のみで済みますが、買い切り型がなくなっている以上、ほかに選択肢はありません。
買い切りの販売は違法な可能性が高い
買い切り型の最終バージョン「CS6」は、販売終了からすでに10年が経過しています。中古のライセンスを購入したとしてもお使いのPCのOSが対応していないかもしれません。また、公式のサポートもすでに対象外となっています。
もし、ネット通販などでサブスクリプション契約なしで使える最新バージョンを見つけたとしても、それは違法な改造によるものと考えるべきでしょう。
違法DLは犯罪なので、そういったリスクが考えられる海賊版などには手を出さないことを強くおすすめします。
Photoshopを一番安く利用できるのは?
アドビ公式のサブスクリプションでPhotoshopが使えるものをピックアップしてみました。
比較項目 | Creative Cloudコンプリートプラン | Photoshop(単品) | フォトプラン(1TB) | フォトプラン(20GB) |
---|---|---|---|---|
月額(税込) | 6,480円 | 2,728円 | 2,178円 | 1,078円 |
利用可能アプリ | ・Photoshop ・Illustrator ・Adobe Premiere ・Pro Acrobat ・Pro InDesign など | ・Photoshop ・Adobe Fresco ・Photoshop Express ・Adobe Express | ・Photoshop ・Photoshop Express ・Lightroom ・Lightroom Classic | ・Photoshop ・Photoshop Express ・Lightroom ・Lightroom Classic |
クラウドストレージ容量 | 100GB | 100GB | 1TB | 20GB |
公式サイト | 詳細はこちら | 詳細はこちら | 詳細はこちら | 詳細はこちら |
Photoshopを使うことだけ考えた場合、一番安く利用できるのはフォトプランの20GBです。
価格はいずれも年間プランの月々払いの場合のもので、Creative CloudコンプリートプランとPhotoshopの単品プランは月ごとの契約となる月々プランも利用可能です。
年間プランは解約時に手数料が発生する代わりに料金が割安になっています。月々プランはいつでも手数料なしで解約できるためお試しで使ってみたいときに便利でしょう。
Creative Cloudコンプリートプラン
Creative Cloudコンプリートプランは「Illustrator」や「Premiere Pro」といった名だたるプロ向けアプリがフルに利用できるプランで、3本以上のアプリを単品で契約するよりもお得になります。プロのデザイナーなどにはおすすめです。
Photoshop(単品)
Photoshopの単品プランはあまり合理的ではありません。ペインティングアプリの「Adobe Fresco」やモバイルデバイス向けの「Photoshop Express」などは基本機能は無料で利用できるので、Lightroomが使えるフォトプランのほうがお得だからです。
フォトプラン
フォトプランは写真管理とRAW現像の機能を持つ「Lightroom」「Lightroom Classic」が利用できるプロカメラマンやアマチュアの写真愛好家向けのプランです。Lightroomは持っていて損はしないアプリですし、もし使わないとしても安上がりです。
大容量のクラウドストレージが必要でないなら、20GBのプランがもっとも安くPhotoshopを使える方法となります。
【有料】Photoshopの代替ソフト3選
- Photoshop Elements
- PhotoDirector
- Affinity Photo
Photoshop Elements
名前のとおり、アドビが提供するPhotoshopの姉妹アプリで、Photoshopの基本機能に加えて高度な自動化やAI技術の「Adobe Sensei」も盛り込まれています。
写真の一部に動き要素を加えたり、背景や空を差し替えたりなどが簡単に行えるほか、61種類ものガイド付き編集機能を使ってむずかしい操作をマスターするのに役立てることもできます。また、数十種類のフィルターと効果をクリックするだけで追加するといった、カジュアルに写真を楽しむための機能がたっぷり搭載されています。
写真の明るさを微調整するのに役立つトーンカーブが使えない、ぼかし機能がシンプルなものにかぎられるなどの物足りない点はありますが、買い切り版ならではの気軽さは見逃せません。
Photo Director
RAW現像機能も備えた写真管理・編集ソフトで、動画編集ソフトの「PowerDirector」で知られるサイバーリンクが開発および販売をおこなっています。
基本的な写真調整機能はひととおり備えているほか、プロや上級車が好むトーンカーブが使えるのは魅力です。また、アニメのセル画のように重ねられるレイヤー機能もあり、写真に文字やイラストをアレンジしたりといったデザインワークも簡単におこなえます。
AI技術を活用した空の入れ替えや美肌化などの人物補正、動画から動きのある静止画を作れる「シネマグラフ」機能も搭載。自動補正機能に対応するレンズの種類が少ないのは泣きどころと言えます。
サブスクリプション型のみですが、料金はPhotoshopよりも安いので抵抗感は少ないでしょう。また、試用期間後は一部機能が制限される「PhotoDirector Essential」として利用可能となっています。
Affinity Photo
Windows用グラフィックソフトの老舗メーカーとして知られるセリフヨーロッパの写真編集ソフトです。
RAW現像に加えてレベル補正やトーンカーブ、ノイズ除去、レンズ補正といった、Photoshopが備えている高度な機能をしっかりカバー。複雑なレタッチや合成に欠かせないレイヤーも備えていますし、人物の目を大きくしたり小顔にしたりといった変形機能も簡単に使えます。
縦書きのテキストがあつかえない、最新のカメラのRAWへの対応がやや遅いなどの泣きどころもありますが、Photoshopと共通のショートカットキーが多くて操作に戸惑わない、動作が軽快といった強みもあります。
買い切り型のうえに価格が手ごろというのも魅力です。
【無料】Photoshopの代替ソフト3選
- Photoshop Express
- Fotor
- Pixlr E
Photoshop Express
こちらも名前からわかるとおり、アドビが提供する写真編集アプリですが、モバイル端末向けとなっています。
基本的には無料で利用できます。写真の明るさなどの調整のほか、人物の顔の編集に特化したレタッチ、複数の画像を組み合わせるコラージュ、背景を入れ替えるレイヤー合成などが直感的な操作で簡単に行えます。
また、サブスクリプションで利用できるプレミアム機能も用意されています。費用は発生しますが、自動選択機能やノイズの除去、人物の肌を滑らかにしたり表情を変えたりなどが可能です。
Photoshopと名乗っていても、あくまで簡易型のアプリですから、本格的に画像編集をおこないたい人には物足りないでしょう。でも、写真をSNSに投稿するために加工したいなどの用途には十分に対応可能です。
Fotor
2012年の初リリース以来、全世界で5億人以上のユーザーを獲得したエバーイメージイングの写真編集アプリです。当初はウェブブラウザー上で作業をおこなうオンライン版のみでしたが、現在はWindows、Mac、iOS、Android用アプリも用意されています。
シンプルな画面で初心者にも親しみやすいインターフェースが特徴です。写真の明るさなどの基本的な調整機能に加えて、背景をぼかしたり、人物をより魅力的に見せるビューティ加工機能、コラージュのほか、さまざまなデザインテンプレートを使ったデザイン機能などを備えています。
すべてのテンプレートやステッカー、フォント、100万枚以上の画像を利用するには有料版に登録する必要がありますが、ブログのアイキャッチ画像などを手軽に作りたいという人には無料版でも問題なく対応できるでしょう。
Pixlr E
プロダクトデザインや建築、エンジニアリング向けの3D CADソフト「AutoCAD」のメーカーとして知られるオートデスクが提供するオンライン写真編集サービスです。
基本的な明るさやコントラストの調整はもちろん、レベル補正やトーンカーブといった上級者向けの補正機能、レイヤーを駆使したさまざまな合成などが無料で行えます。
また、AI技術を活用した切り抜きと背景除去、豊富なテンプレートを利用したコラージュ、クリエイティブなフィルターやエフェクトも楽しめます。
広告を非表示にして、すべての機能をフルに利用するには有料のサブスクリプション契約が必要となりますが、年間契約にすればPhotoshopよりもかなり格安です。
よりシンプルで初心者向けの「Pixlr X」も選べます。