ノスタルジックな色味が特徴的なフィルムカメラ。フィルムによって写真の雰囲気がガラリと変わるので、いろいろ試すのが楽しいですよね。
今回はそんなフィルムの代表的な種類や特徴、そして選び方をご紹介します!
フィルムの仕組み
フィルムの種類を紹介する前にフィルムカメラの仕組みを簡単に説明します。
写真を撮るためにシャッターを切ると、カメラのレンズが開きます。レンズが開くとフィルムに光が当たり、シャッターを切った瞬間を写真として収められるのがフィルムカメラの仕組みです。
仕組みを知っているとフィルム選びにも役立つので、この機会にぜひ覚えておきましょう!
フィルムの種類
フィルムカメラのフィルムの種類はメーカーだけでなく、サイズとカラーにも違いがあります。
フィルムのサイズ
フィルムサイズの種類で代表的なのは35mmと120フィルム。
他にも広くサイズ展開されています。
35mm(135フィルム)
フィルムと聞いて誰もが思い浮かべるのが、一般的で手に入りやすい35mmのフィルム。デジタルにおけるフルサイズに該当するサイズです。
パトローネという容器に入っており、主に12・24・36枚撮りがあります。
120フィルム
別名ブローニーフィルムとも言われる中判カメラに使用するフィルム。
主に16・12・10枚撮りと35mmに比べて1本のフィルムで撮れる枚数は少ないですが、高画質で高解像度であることが特徴です。
その他のフィルム
- APSフィルム…写真システムのこと。フィルムを入れ替えずに写真サイズの変更が可能。
- 220フィルム…120フィルムからの派生。裏紙がなく、倍の枚数撮影できる。
- 110フィルム…カートリッジタイプのフィルム。生産終了で入手は難しい。
- 127フィルム…ベスト判や正方形の写真が撮れる。
フィルムのカラー
フィルムのカラーにも種類があります。今回は代表的な3種類をご紹介します。
カラーネガフィルム
ネガフィルムとも呼ばれる一般的に広く用いられているフィルム。
現在も需要は高いため比較的安価で購入でき、種類も豊富です。現像する際に色の補正をすることができるのも特徴です。
モノクロフィルム
名前の通り写真がモノクロで仕上がるフィルム。
色がないため光と影を活かした撮影が必要で、構図の練習にもよく使われます。現像はネガフィルムに比べて簡単なため、挑戦してみるのもおすすめです。
カラーポジフィルム
別名はリバーサルフィルム・スライドフィルム。
現像せずフィルムのままルーペで鑑賞したり、飾って楽しんだりできます。色が反転しないため撮ったそのままの色が出るのも特徴です。
フィルムの選び方
フィルムカメラには、デジタルカメラにない選び方があります。
何も考えずにフィルムを選んでしまうと、思うような写真が撮れなかったり、そもそもフィルムが使えなかったりするので注意しましょう。以下の選び方を抑えておけばOKです。
フィルムカメラに対応しているフィルム
まず、使用するフィルムカメラに対応するフィルムを選びます。サイズが違うフィルムは装填できないため、購入時には対応フィルムを必ず確認しておきましょう。
ISO感度で選ぶ
ISO感度とは光を捉える力を表す数値のことで、数字が大きいほど力も大きくなります。
- ISO100〜200…晴れの日の屋外での使用。
- ISO400…曇りの日や室内での使用。無難でどんなシーンにも対応しやすい。
- ISO800…夜の屋外など暗い場所での使用。
使用シーンに合わせて選びましょう。
現像対応店の多さで選ぶ
出回っていないフィルムを選ぶほど現像できるお店は少なくなります。
最初は現像できるお店の多い35mmや120フィルムがおすすめです。 ビックカメラなどのカメラチェーン店でも現像できます。
おすすめのフィルムと特徴
今回はKodakとFUJIFILMのフィルムの種類と特徴を解説していきます。
Kodak Color Plus 200
コダックのフィルムにはいくつか種類がありますが、その中でも安価で手に入れやすいのがこちらのフィルム。ISO感度200の代表的なフィルムともいわれています。
暖色で温かみがありながら、色が濃く出るため懐かしい雰囲気の写真を撮ることができます。
Kodak ULTRA-MAX 400
彩度が高くコントラストの強い、パキッとした写りが特徴のフィルム。
中でも青の発色がしっかりしているのが印象的です。
Kodak PORTRA(ISO160・400・800)
コダックのフィルムの中ではややお高めですが、世界的に大人気なのがPORTRAシリーズ。
その名の通り、ポートレート撮影に向いているフィルムで、肌が綺麗に写るのが特徴です。
ISO感度も3種類の展開があるため、撮影シーンに合わせて選んでみてください。
FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400
目にした風景をそのまま再現しやすいフィルム。
ややこってりとした色乗りではありますが、「実物と全然違う!」ということがなく撮影時のイメージがしやすいのが特徴です。
FUJIFILM FUJICOLOR 100
どこか懐かしさを感じる、温かみのある写真が撮れるフィルム。
ISO感度100ならではのなめらかな質感ですが、フィルム感はしっかり残すことができます。
FUJIFILM PRO160NS
120サイズの中でも扱いやすいフィルム。
少し青みがかっているのが特徴で、落ち着いた色味で使いやすいと好評です。すっきりした発色で、試し撮りに使用されることもあるようです。
【生産終了】FUJIFILM PRO400H
どんなシーンでも使いやすい、ナチュラル系の王様とも呼ばれるフィルム。
残念なことに2021年1月に生産終了の発表がされてしまいました。
【生産終了】FUJIFILM 業務用100
コストを抑えているため「業務用」として販売されていたものの、癖のない写りでプロから初心者まで多くのフィルムユーザーに愛されてきたフィルム。
現在は生産が終了しており、10本セット1万円ほどの高価格で販売しています。
【生産終了】FUJIFILM C200
コントラストは強めでも主張しすぎない色乗りが人気のフィルム。
お手頃な価格で販売されていましたが、生産終了となり今ではなかなか目にすることもできなくなっています。
期限切れのフィルムは使える?
期限切れのフィルムは感度やコントラストは低下するものの使用できます。
カラーバランスも崩れるため予測できない写真を楽しむという方法もあります。ただし、保管状態によっては写らないこともあるため注意が必要です。
お気に入りのフィルムを楽しもう
今回はフィルムの種類をサイズ・カラー・メーカーごとに紹介しました。
お気に入りのフィルムが見つかると、カメラでの撮影をより楽しむことができます。ぜひいろいろなフィルムに挑戦してみてくださいね。