空間に奥行きを出し、広がりのある写真が撮れる放射線構図。
この記事では、放射線構図について撮り方や作例写真を交えてご紹介します。
ほかの構図については以下の記事で解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。
放射線構図とは
放射線構図とは、ある一点から複数の線が放射線状に伸びる構図です。
奥行きや空間の広がりが強調され、躍動感のある写真を撮影できます。一見難しそうに感じますが、日常の中でも応用しやすい構図のひとつです。
放射線構図の作例写真
放射線構図は、道路や街並み、駅のホームなど、直線が多い場面を撮影するのに適しています。
長く続く線路を撮影した写真です。
どこまでも果てしなく線路が続いていく様子を捉えています。線路を辿って遠くまで歩いて行きたくなりますよね。まるで映画のワンシーンのようです。
複数の車線が、奥に向かって真っ直ぐ伸びています。
無意識に視線が手前から奥へと、道路をなぞるように動いていきませんでしたか?視線の動きに沿って、車が動いているような感覚も得られるのではないでしょうか。
視線誘導の効果を生かし、スピード感をうまく演出しています。
駅のホームに止まる電車の写真です。
先頭車両が画面に大きく写し出され、後方へいくにつれて小さくなっていきます。奥行きを生かして撮影することで、車体の大きさも強調され、迫力を感じますね。
生い茂る木々を、下から見上げて撮影した写真です。
実際は、木が上に真っすぐ伸びているだけですが、まるで上から覗きこまれているような、不思議な感覚になります。放射線構図をうまく活用すれば、このような面白い表現も可能です。
放射線構図を生かして人物を撮影した写真です。
これからこの道を、バイクでどこまでも走っていくのでしょう。写っているものは青空・道・バイクにまたがる人と、情報量は少なく、表情も見えませんが、旅に出る前のワクワクした気持ちが現れています。
放射線構図を使いこなせれば、ストーリー性も表現できますよ。
放射線構図を撮影するポイント
- 収束点を作る
- 被写体の配置を工夫する
- 広角レンズで撮影する
放射線構図で撮影する際は、収束点を作ることを意識しましょう。
収束点とは、すべての線が集合する一点のことです。写真の奥に収束点を作ることで、視線も奥に誘導され、奥行きが生まれます。
また、被写体をどこに配置するかによって、写真の表現が大きく異なります。
以下の作例で考えてみましょう。
バイクにまたがる人がもっと遠くに配置されていたら、どのように見えるでしょうか?おそらく「これから旅に出る人」ではなく「先ほど旅に出発した人」に見えますよね。
見せたい表現に合わせて、被写体の配置を決めてみてください。
また、放射線構図は、広角レンズで撮影するのがよいでしょう。
画角の広い広角レンズは、広々とした道や線路を撮影するのにおすすめです。広角レンズには、手前が大きく、奥が小さく写る特徴があります。
放射線構図と組み合わせることで、遠近感をより強調した面白い表現が可能です。
放射線構図で写真を撮ってみよう
放射線構図をマスターすると、動きのある生き生きとした写真が撮影できます。
- いつも歩いている道
- 通い慣れた駅のホーム
- 見慣れた街並み
上記のようなありきたりな景色も、放射線構図で撮ると、まるで初めて訪れた場所のように感じられます。
日常を少し面白く撮影してみたいときに、ぜひチャレンジしてみてください。